緩衝材の選び方・種類やメリット・デメリットを梱包資材のプロが解説!|緩衝材・梱包材の専門店【コンポス】のコラム
目次
緩衝材とは?〜梱包時の必需品!〜
商品の梱包には様々な方法がありますが、配送時の破損や傷から商品を保護するために使う梱包材を「緩衝材」と呼びます。
中でも、代表的な緩衝材として挙げられるのが、みなさんもよくご存知の「プチプチ」ですね。
プチプチのほかにもさまざまな緩衝材がありますが、緩衝材には、大きく分けて2つのタイプがあります。
1つめは、商品自体を梱包するための緩衝材。(こちらがプチプチの役割です)
もう1つは、商品がダンボールの中で動かないように、隙間を埋めるために使用する隙間埋め緩衝材です。
ここでは「緩衝材」と「隙間埋め緩衝材」の中から数種類取り上げ、メリットやデメリット、活用法について解説します。
緩衝材の種類
緩衝材の代表格「プチプチ」(エアークッション、エアーキャップ)
「プチプチ」と呼ばれる緩衝材は、皆さんもご存じの通り梱包の必需品。聞き慣れた名称ですが、実は固有の商品名です。川上産業株式会社が1994年に商標登録しています。
正式名称は「気泡緩衝材」と言い、メーカーによっては「エアーキャップ」や「エアークッション」、「エアーシート」などの名称で販売されています。
プチプチには封筒状になった「袋タイプ」、既定サイズにカット済みの「シートタイプ」、ロール状でたっぷり使える「ロールタイプ」のラインナップがあり、用途に適したものを選択可能です。
プチプチのメリット
プチプチは軽い上にクッション性が高い点がメリットです。重さ制限のある配送方法の場合は、梱包材自体の重さを抑えるのに役立ちます。
また、しなやかな素材のためデコボコや曲面のある商品を包む場合もフィットしやすいのが特徴。紙製などのほかの緩衝材を比べるとクッション性が高いので、壊れやすい商品や割れ物、貴重品、高価な商品の梱包として最適。より安全に商品を届けることができます。
プチプチのデメリット
プチプチは梱包時に気泡がクッションの役割をするため、ほかの緩衝材に比べるとやや厚みがあります。そのため、ストックを抱えれば抱えるほど、保管スペースが必要になります。
プチプチの活用法
プチプチは陶器やガラス製の食器、壊れやすいフィギュア、精密機器、重量のある家具や家電などを配送の衝撃から保護したい梱包に有効です。気泡の粒サイズが大きければ大きいほど、また「2層タイプ」よりも「3層タイプ」のほうが緩衝性に優れています。
食器やアクセサリーにオススメ「ミラーマット」
「ミラーマット」は発泡ポリエチレン製の白いシートのことです。「ライトロン」や「ミナフォーム」、「発砲シート」などと呼ばれることもあります。
ミラーマットには規格サイズにカットした「カット品」、袋状に加工した「袋」、業務用におすすめの「ロール」などの種類があります。
ミラーマットのメリット
ミラーマットは柔らかいので小さいものでも包みやすく、防水性があるので水濡れ対策になります。厚さ1mm程度と薄いうえに軽量のため、厚みや重さ制限のある発送方法の梱包に最適です。断熱性があり簡易的な保冷袋にも向いています。
ミラーマットのデメリット
ミラーマットは薄いため、緩衝能力は低めです。しかし表面保護性が高く、梱包時の商品のキズ防止にとても役立ちます。
ミラーマットの活用法
ミラーマットはお皿やお椀などの食器や、ワインなどのボトルの梱包に向いています。袋状に加工されているものは、ノート類やCD、DVDを入れるのにもピッタリです。ハサミで好きなサイズに切りやすく、梱包作業がスムーズに進みます。
ダンボールの中をしっかり固定!隙間埋め緩衝材
緩衝材「クラフト紙・更紙(ざらがみ)」
「クラフト紙・更紙」は、隙間埋め緩衝材の代表的な商品です。使い勝手もよく、梱包時には活躍する緩衝材です。
くしゃくしゃに丸めてダンボールの隙間埋めをする緩衝材です。
クラフト紙・更紙(ざらがみ)のメリット
クラフト紙や更紙(ざらがみ)は緩衝材のなかでも非常にリーズナブル。厚みがなくかさばらないため保管場所を取らず、長期保管しても劣化しにくいのが特徴です。緩衝材としてだけではなく、包装紙や印刷用紙としても幅広く使えます。
脱プラの観点においては、紙製品は環境への負荷が少なく地球に優しい点もポイント。配送物の受け取り側も紙ゴミとして廃棄しやすいのがメリットです。
クラフト紙・更紙(ざらがみ)のデメリット
紙製品は水に弱い点がデメリットです。緩衝材として使用した場合、雨天時の配達や置き配時の突然の降雨によって中身が濡れてしまう可能性があります。冷蔵品や冷凍品の梱包に使用する緩衝材には不向きです。
クラフト紙・更紙(ざらがみ)の活用法
丸めたりちぎったりするだけで、商品の形状に沿って簡単に隙間埋めができます。コストを抑えて効率よく発送したい方におすすめです。
→ダンボールの隙間埋めに、自分で丸めてクシャクシャにする更紙
隙間埋め緩衝材「バラ緩衝材」
「バラ緩衝材」は、マシュマロのような粒状のクッション材のことです。2種類の素材があり、ひとつは紙やコーンスターチ(トウモロコシのでんぷん)を主原料にしたもの、もうひとつはポリエチレンなどの合成樹脂製のものです。
バラ緩衝材のメリット
小さな隙間を埋めたり、複雑な形状の商品を梱包する際の緩衝材に向いています。
コーンスターチを主原料とするものは、焼却時に有毒ガスが出ないので環境に優しいエコな素材。一般ゴミとして処分できます。
合成樹脂製のものはつぶれにくいので重量のある商品の梱包にピッタリ。水気に強い点もメリットのひとつです。
バラ緩衝材のデメリット
バラ緩衝材はまとめ買いをすると、かさばって保管場所を取ります。また、ひとつひとつがバラバラで動いてしまうため商品を固定できず、隙間埋めに使用した際は中身が動きやすいことを念頭に置いておきましょう。精密機器などの梱包には不向きです。
コーンスターチを原料とするバラ緩衝材はつぶれやすいので、重量物の緩衝材には向きません。
バラ緩衝材の活用法
細かい隙間を埋める際はそのまま、広い隙間を埋める際はビニール袋にまとめて入れて使います。通常使用ならコーンスターチ製、重量物を扱うなら合成樹脂製、と使い分けましょう。
エコな素材ならコーンスターチを主原料とした「エコマザー」というバラ緩衝材がおすすめです。
緩衝材の代用は身近なものでも大丈夫?
身近にあるもので緩衝材の代用をするなら、新聞紙やビニール袋などが挙げられます。新聞紙は丸めて箱の隙間を埋めるのにピッタリですがおしゃれさに欠け、雑に梱包された印象になってしまいがちです。
ビニール袋は空気を入れると隙間埋めになりますが、途中で空気が抜けてしまうと役割を果たせなくなるので、梱包時には注意が必要です。
緩衝材にはこんなものも!ユニークな緩衝材
食べられる隙間埋め緩衝材
緩衝材としての役割も果たしながら、おやつとして食べられるとして話題を集めているのは・・・なんとポップコーン!「あぜち食品」の商品ですが、元々は通販で注文されたお菓子を送る際に、自社製品のポップコーンをおまけで入れていたのが始まりだそう。
Twitterでバズったのをきっかけに、実用性とサプライズを兼ねた緩衝材として販売が開始されました。相手にクスッと笑ってもらえる緩衝材として、話題作りにいかがでしょうか。
梱包をもっと楽しく!かわいい隙間埋め緩衝材
バラ緩衝材の中には、ひとつひとつの形がユニークなものも。特によく見かけるハート型の緩衝材はギフトラッピングに最適で、他にもホシやネコの形状をしたバラ緩衝材など、バリエーション多彩です。
緩衝材自体が贈り物の演出になるかわいい緩衝材。探してみればもっと梱包を楽しめる楽しい形が見つかるかもしれません♪