オンデマンド印刷とオフセット印刷の違いは?メリット・デメリット、向いている印刷物を解説
「印刷方法のオンデマンドとオフセットの違いって何?」
「梱包資材にロゴを印刷したいんだけど、どっちが良いの?」
とお悩みではありませんか?
オンデマンドとオフセットの違いを理解したうえで印刷方法を選ばなければ、無駄なコストがかかる恐れがあります。
そこで今回は、オンデマンドとオフセットの違い、メリット・デメリット、それぞれが向いている印刷物の種類まで解説します!ぜひご覧ください。
目次
オンデマンドとオフセットの違い
印刷方法 | オンデマンド | オフセット |
版の有無 | 無 | 有 |
インクの種類 | インキ | トナー |
対応できる用紙サイズ | 名刺サイズ~B3程度 | 名刺サイズ~B1程度 |
対応できる部数 | 数十~数百 | 数百~ |
納品までの最短日数 | 即日 | 翌日~数日 |
印刷方法には、「オンデマンド」と「オフセット」の大きく分けて2種類あります。大きな違いは、表に示したように、印刷時に「版」を使うかどうかという点です。「版」を使うことで、印刷工程や印刷スピードに違いが出ます。
ここではそれぞれの印刷方法について、詳しく解説します。
オンデマンドとは
オンデマンドとは、高速デジタル印刷機を使用した印刷方法です。印刷したいデータを印刷機に送って印刷します。基本的には自宅やオフィスにある印刷複合機と同じ仕組みで、原稿を作成した後に印刷し、製本や裁断をするという3段階が全体の流れです。
印刷方法としては、「トナー」と呼ばれるインクを吹き付けた感光体(ドラム)を使用するレーザー式が主流です。またカートリッジから直接紙にインクを吹き付ける、インクジェット式もあります。
オフセットとは
オフセットとは、「版」を必要とする印刷方法です。原稿を作成した後、印刷の基となる「版」を作成する工程が入ります。
そして「版」から直接紙にインクをつけるのではなく、「版」と紙の間にブランケットを挟んで印刷する点も特徴です。ズレや摩耗が起こりにくくなるため、書籍印刷やチラシ作成など、大量印刷に向いていると言えます。
オンデマンドのメリット
メリット(1)小ロットでも注文可能
オンデマンドのメリット1つ目は、小ロットでも注文可能な点です。オンデマンドには「必要に応じて」といった意味があるように、必要なときに必要な分だけ印刷できます。
例えばロゴ入り封筒を100枚だけつくりたいときも、オンデマンドなら気軽に注文することが可能です。
ただし印刷所によって印刷する紙の大きさや、紙の厚さに制限がある点にご注意ください。
メリット(2)コスト削減につながる
オンデマンドのメリット2つ目は、コスト削減につながる点です。「版」を作成しないオンデマンドは、少ロットの印刷でも比較的低額で注文できるからです。
さらに必要な分だけを注文することで、在庫を抱える心配もなくなります。大量に注文して余らせてしまうと、廃棄にもコストがかかりますし、保管するにも場所が必要になってしまいますよね。
必要な部数を低コストで印刷したい場合は、オンデマンドを選びましょう。
メリット(3)納期が短い
さらにオンデマンドのメリットに、納期が短い点も挙げられます。オフセットでは大量印刷のために「版」を作成する必要がありますが、オンデマンドでは「版」作成の工程を省くことができるからです。
印刷データさえ準備できれば、即日納品も可能になります。急に少量の印刷物が必要になった場合は、オンデマンドを選びましょう。
オンデマンドのデメリット
デメリット(1)注文数によってはオフセットより単価が高くなる
一方で、オンデマンドにはデメリットもあります。デメリットの1つ目は、注文数によってコストがかかるという点です。オンデマンドは少量印刷に向いているため、大量に印刷すると逆に1部あたりの単価が高くなります。
印刷所や仕様によって異なりますが、300〜1000部以上の印刷物の場合は、オフセットを検討してください。詳しい納期や部数については、印刷会社に問い合わせておくと良いでしょう。
デメリット(2)色の再現率が低い
オンデマンドのデメリット2つ目は、色の再現率が低い点です。気温などの要素も関係しますが、黒いインクのテカリが目立ったり、ムラやズレがあったりするからです。よって緻密なデザインや高画質の写真印刷の場合、イメージ通りの仕上がりにならない恐れがあります。
加えてオフセットに比べてインクが剝がれやすいため、長期保存に向いていない点も覚えておきましょう。
なお現在は技術が進歩し、オンデマンドでも色の再現率を上げることができるようになっています。オンデマンドに特化した印刷会社を選んだり、用紙を変えたりして、コストを押さえつつ綺麗な仕上がりを目指しましょう。
オフセットのメリット
メリット(1)大量印刷の場合は単価が安くなる
オフセットのメリット1つ目は、大量印刷に向いている点です。「版」をつくる分、オンデマンドに比べて費用は高くなりますが、大量に刷ることでコストを抑えられます。
加えて「版」が破損しない限り、同じ品質の物を安定して刷ることができる点も特長です。よって数千枚単位の印刷なら、オフセットを選びましょう。
メリット(2)仕上がりが綺麗
オフセットのメリット2つ目は、仕上がりが綺麗だという点です。インクが均一の力で印刷されるため、ムラやズレが起きにくく、細かな線や点まで鮮明に表現できます。また基本の色以外に、金や銀、透明インクや蛍光インクといった特色印刷も可能です。
よってグラデーションや写真を使った印刷物や、こだわったデザインを印刷したい場合は、オフセットを選ぶと良いでしょう。
オフセットのデメリット
デメリット(1)少数印刷だとコストがかかる
しかしオフセットにもデメリットがあります。1つ目は、少数印刷だとコストがかかる点です。データを直接印刷機に流し込むオンデマンドに対して、オフセットは1つずつ「版」を作成する必要があるからです。
数十部や数百部だと受け付けてくれない印刷所もあるため、オフセットを希望する場合は事前に受付枚数を確認しておきましょう。場合によっては、オンデマンドも検討してください。
デメリット(2)納品まで時間がかかる
オフセットのデメリット2つ目は、オンデマンドに比べると納品まで時間がかかるという点です。既に述べたように、「版」を作成する時間が必要だからです。またインクを乾燥させる時間も必要になります。
印刷物が必要なときまでに届かないと、トラブルにつながる恐れがあります。枚数と納品までの日程を事前に確認し、スケジュールを調整しておきましょう。
向いている印刷方法
印刷方法にはオンデマンドとオフセットの2種類がありますが、それぞれメリット・デメリットがあることを解説してきました。特徴を理解したうえで、適した印刷方法を選びましょう。ここでは、枚数ごとに向いている印刷方法をご紹介します。
大量印刷の場合はオフセット
大量印刷の場合に向いている印刷方法は、オフセットです。「版」を使用するため、数千枚単位でも安定して綺麗な仕上がりを保つことができます。大量に印刷しつつ、コストを抑えることも可能です。
例えば一度に大量に作っておいても消費できる見込みのある企業ロゴ封筒などは、オフセットを選択してもいいかもしれません。
少量印刷の場合はオンデマンド
一方で少量印刷の場合に向いているのは、オンデマンドです。印刷データさえ出来上がってしまえば、少量の印刷物でもすぐに手元に届きます。
例えばスタートアップの企業やネットショップなどで、梱包材(ダンボールや宅配封筒など)に印刷する場合はオンデマンドがおすすめです。
梱包資材の専門店であるコンポスなら、さまざまな梱包材にロゴやメッセージを印刷できます。少量からでも気軽に注文できるため、気になる方はぜひお試しください。
オンデマンドとオフセットの違いを理解して、効率よく印刷しよう!
オンデマンドとオフセットは、「版」をつくるか否かで作業工程や仕上がりに違いが出ます。それぞれのメリット・デメリットを理解して、効率よく印刷しましょう。
なお従来に比べて、オンデマンドとオフセットの仕上がりの差は少なくなっています。印刷所によって料金や納期までの時間などは様々ですので、見積もりをしたうえで適切な印刷方法を選びましょう。