ネットショップを開業したい!ネット販売・開業の準備に必要なポイント3つ
「新事業でネットショップを立ち上げることになった」
「ネットショップで起業したい!」
「自社商品をネットで販売したい!」
ネットショップは今や生活に欠かせない存在です。現在実店舗を構えている方も、これからの起業を考えている方も、ネットショップの開店を視野に入れることが多くなってきました。
とはいえ、今はただネットショップをオープンすれば売れる!という時代ではありません。数多くの競合がすでに存在しており、お客様に選ばれるネットショップを運営するためには事前の準備や練りに練った戦略が必要です。
ここでは、開業準備の際に心がけるべきポイントをお伝えします。
ネットショップの立ち上げを検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
ネットショップのコンセプトとターゲットを明確にする
まず、ショップのコンセプトとターゲットを決めます。
最初にこの2点を明確にすると、今後の運営やデザインを決定するときにブレが生じにくくなります。
「何を」「誰に」届けたいのか、改めて考えてみましょう。
販売するターゲットについて知る
あなたはどんな人に自社商品を届けたいと思っていますか?
・性別
・年齢層
・職業
・生活環境
など、アピールしたい人の人物像をできるだけ具体的に思い描いてみましょう。
万人に受け入れられる商品は誰にも刺さらない商品だとも言えます。
特定の「誰か」を喜ばせようと考えることが、溢れる情報の中からユーザーに選んでもらえるコツです。
ターゲットが絞り込めると、次はターゲットの「ニーズ」と「行動」に焦点をあてます。
・ターゲットは、どのようなニーズを抱いているか?
・ターゲットは、どのような行動を経て商品にたどり着くか?
「ターゲットにはどういうニーズがあって、どう行動するのか」といった点を絞り込んでいくと、商品の価値やアピールポイントが浮かびあがってきます。
競合を調査する
自社のこと、ターゲットのことだけではなく、競合他社の研究も必要です。
自社には、他社と比べて優れている点はありますか?
品質、価格、豊富なラインナップ、伝統、専門性、迅速な発送、保証など、他社と差別化できる自社商品の強みを探し、かつターゲットが好ましいと感じる部分をアピールするようにします。
競合他社のレビューの分析も有効です。
ユーザーが何に対して喜んだり不満を持ったりしているかが分かれば、自社の販売戦略に活かしたり、他社が弱い部分を補って集客したりすることができるはずです。
競合分析にはフレームワークを活用するのもオススメ
競合分析といっても、闇雲にライバルとの比較をするだけでは高い効果は見込めません。
正しく競合分析を行うために、「フレームワーク」の活用がおすすめです。フレームワークとは確立された枠組みに沿って思考を整理していく方法。競合調査に役立つフレームワークには、ファイブフォース分析、3C分析、バリューチェーン分析、4P・4C分析などがあります。
競合分析によく使われるフレームワークの1つ、「3C分析」・・・自社、競合、顧客のそれぞれをリサーチし、戦略を考える手法。
Customer(顧客):市場・顧客のニーズや変化
Competitor(競合):競合が「Customer(顧客)」にどのような対応しているのか
Company(自社):「Customer(顧客)」「Competitor(競合)」を踏まえ、自社が成功できる要因(自社ならではの強み)を発掘
他社と自社を比較しつつ、市場や顧客のニーズを取り入れることでバランスよく戦略を立てることができます。
商品販売を自社ショップかモール出店かを決める
ネットショップを立ち上げるためには、どのサービスでネットショップを作成するかを選定しなければなりません。しかしネットショップを作る方法は非常に多く存在しているため、大きな悩みどころです。
ネットショップの出店形式は、大きく分けて自社ショップとモール出店があります。
自社ショップは独自ドメインをもち、独自のサイトを制作して出店する方法。
モール出店は、楽天やヤフー、アマゾンなど、母体となるプラットフォームに出店する方法です。
例えば自社ネットショップは独立した建物を持った店舗、ECモール出店は商業施設(ショッピングモール)に並んでいる店舗をイメージしていただけるとわかりやすいでしょう。
ECモール出店の特徴
例:楽天、Yahoo!ショッピング、Amazon、メルカリなど
ECモール出店はすでにあるプラットフォームを利用する出店方法です。百貨店やショッピングモールの中にテナントを持つように、母体となるプラットフォームにお店を持ちます。フォーマットが用意されており、手順に沿ってネットショップを作成していきます。
ECモール出店のメリット
ECモールは機能が充実しており、サポート体制も整っているので、WEB制作の知識が豊富でなくても開業できます。
もっとも大きなECモールのメリットは、集客力です。楽天やYahoo!ショッピング、Amazonなど有名なモールは、すでに多くのユーザーを抱えています。購買意欲の高いユーザーが「商品」を探していることから、比較的早期に売り上げが期待できます。
ECモール出店のデメリット
ECモールのデメリットは、利益率が確保しにくく、独自性を出しにくい点。
出店料や手数料などのランニングコストが生じることに加えて、モール内のライバル店との価格競争で商品価格を下げざるを得ないということにもなりかねません。
またサイトのカスタマイズが難しかく、独自のサイト構成や販売戦略を展開できない可能性があります。
モール内で売上が伸びたとしても、自社商品の認知度が上がったとは言えないことも多く、ブランドの成長や顧客の定着化には問題が残ります。
自社ショップの特徴
自社ショップは、楽天やAmazonなどのECモールに依存せず、独自ドメインを持ったオリジナルのネットショップです。
自社ショップも構築方法はさまざま
自社ショップの立ち上げ方法にもいくつか種類があり、本格的にシステムから作り込む形から、提供されているサービスを借りてネットショップを構築する方法もあります。
はじめてECサイトを運営する方へのおすすめは「ASPカート」と呼ばれるサービスです。小規模のショップであれば「BASE」や「STORES」など、初期費用を抑えながら手軽にネットショップを開店できます。
ただしこういった費用をおさえたサービスを利用する場合には、デザインの自由度が低く、カスタマイズはほとんどできません。また初期費用が安い代わりに、手数料が高く設定されています。ショップの成長に合わせて次のステップを考えることが大事です。
自社ショップのメリット
オリジナルブランディングに基づいたサイト作りで、競合他社との差別化が図りやすいのもメリットのひとつ。
コンセプトに合わせた色使いやデザインで、自社商品をより魅力的に見せることができます。
また、モール内で販売するとどの店で購入したのかがお客様の印象に残りにくいですが、自社ショップで販売すると店名が記憶に残りやすく、リピーターの獲得につながることが期待できます。
自社ショップのデメリット
さまざまな店舗が集まるモール型と違い、集客力が低いのがデメリット。せっかくショップを立ち上げても、SEO対策がされていないと検索上位に表示されず、お客様の目に留まらないということになりかねません。
自社ショップの出店はノウハウを持たない初心者には難しいので、WEB制作に詳しい人材が必須です。
それでも、成果が出るまでにはある程度の期間が必要となるでしょう。
どうやって制作を行うかを決める
ネットショップの制作方法は、大きく分けて自社制作と制作会社に依頼する方法があります。それぞれのメリットやデメリットを見ていきましょう。
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ネットショップを自社で制作する場合
ネットショップを自社制作するメリットは、コストを削減できることです。
クラウドサービスの中には初期費用や月額費が無料のものもあり、簡単にネットショップを開業できる仕組みが整っています。
また社内で対応を完結できるため、スピード感をもった開業が可能です。
ブランドイメージなども共有しやすく、作業がスムーズに進められるでしょう。
ただし、ネットショップのデザインや機能にオリジナリティを持たせたい場合は、より高度な技術が必要になります。
在庫管理や決済などの仕組みも不可欠です。
正確なプログラミングと強固なセキュリティを備えていないと、お客さまに迷惑がかかるので注意しましょう。
ネットショップ開業後も、システムエラーの対応やサイトの運営などに係るリソースを社内に確保しておく必要があります。
自社制作はローコストでできる半面、スタッフの負担が大きく、時間をかけても思い通りのサイトに仕上がらないというリスクが考えられます。
適した人材を確保できるかを第1に考えましょう。
ネットショップ制作を制作会社に依頼する場合
WEB制作に関する知識を持った人材を確保できない場合や、より効果的なネットショップの開業を望む場合は製作会社に依頼するのが得策です。
プロの確かな技術やリサーチ力により、クオリティの高いネットショップが開業でき、SEO対策により検索上位に表示されれば、それだけ顧客獲得のチャンスが増えます。
情報漏洩やウイルス対策など、セキュリティ面の整備も任せておけば安心。
新商品の開発や法律改正に伴うページの更新をはじめ、ショップ訪問者のデータ分析などのアフターフォローも依頼できます。
また、ネットショップ制作を外注することで本業をおろそかにすることなく、日常の業務に集中できる点もポイントです。
ただし、自社制作に比べるとコストがかかります。
見積もりや相談を無料で受け付けているWEB制作会社もあるので、予算や費用対効果を考慮して検討しましょう。
ネットショップ開業で失敗しないために
ネットショップは「オープンしたらすぐにお客さんがくる!」というわけではありません。
失敗しないためには
(1)初期費用だけでなくランニングコストも含めて検討すること
(2)集客に力を入れること
が大切です。
簡単にできそう!と準備もせずに取り掛かると、コストが予想以上に膨れ上がってしまったり、ネットショップを開業しても売上が伸びなかったりする恐れがあります。
事前準備をおろそかにせず、一つずつステップをクリアしながら、着実に進めていくことが大切です。